
まえがき
日本は有数の地震国で、これまで数多くの地震が日本各地で発生し、多大な被害を受けてきた。港湾においても防波堤や岸壁をはじめ、荷役機械や上屋などの港湾機能施設にも、時にして大きな被害を受けている。
地震に対する対応としては、荷役機械の設計において地震荷重が見込まれている。しかしながら、地震による荷役機械の被害の受け方は様々であり、その耐震対策もまた一律には困難であると思われる。
平成7年1月、神戸、淡路地域を中心とした兵庫県南部地震は、過去に経験のない震度7にも及ぶ強大な直下型地震であった。この地震は様々な構造物のこれまでの設計手法をはるかに越えたものであり、各方面でそれらを見直す契機となり、実際に新たな耐震対策が取られている。
港湾荷役機械の設計においても、その役割の重要性を考えると、このような直下型大地震に対する対策を早急に立てることが必要がある。
本調査研究はこのような大地震に対する耐震対策を検討するため、動的解析により地震時の荷役機械の挙動に関する資料を得るものである。
なお、本調査研究は日本財団の補助金を受け(社)港湾荷役機械化協会が行ったものであり、本報告書はその成果を取りまとめたものである。
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